代表的な疾患として「狭心症」「心筋梗塞」「大動脈解離」の可能性が挙げられます。
心臓を栄養する血管を冠動脈といいますが、「狭心症」はそれが狭くなって胸が締め付けられるような痛みを感じる状態で、「心筋梗塞」はそれが詰まってしまっていよいよ心臓の筋肉が壊死してしまう状態です。
「大動脈解離」は胸→背中→腹部と走る人体最大の血管が裂ける病気です。

「心筋梗塞」と「大動脈解離」は痛みを感じるだけで留まればまだ良いですが、「詰まる場所」「裂ける場所」によって意識を失って倒れることや、最悪の場合は即死することもあります。
痛みも冷や汗を伴う程の強烈なものなので、大抵の方は救急車を呼ばれます。

「狭心症」は「心筋梗塞」の一歩手前のような状態で、「狭心症」の間に冠動脈の治療をすることができれば、治療後は痛みを感じなくなるだけでなく、これまでと同じような生活が送れますが、「心筋梗塞」になってから治療を行っても、心臓の筋肉が壊死してしまった部分は再生まではしませんので、壊死量によっては心臓のポンプ機能が低下してしまい、「心不全」という状態になってしまいます。

他に、気胸や胸膜炎、逆流性食道炎などが挙げられますが、上記のような心臓や血管の病気をちゃんと除外した上で、鑑別を進めていくことが大事です。